研究課題/領域番号 |
11640162
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
奥村 善英 静岡大学, 理学部, 助教授 (90214080)
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研究分担者 |
芥川 一雄 静岡大学, 理学部, 助教授 (80192920)
中西 敏浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (00172354)
佐藤 宏樹 静岡大学, 理学部, 教授 (40022222)
久村 裕憲 静岡大学, 理学部, 助手 (30283336)
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キーワード | タイヒミュラー空間 / 双曲多様体 / リーマン面 / 離散群 / 不連続群 / 一次変換 / 実解析多様体 / 大域座標 |
研究概要 |
平成11年度に行った研究は、次の三つの分野に分けることが出来る: 1、タイヒミュラー空間を長さ変数と角度変数で特徴付ける。 2、一次変換の幾何的な性質を調べる。 3、リーマン面上の閉曲線の性質を解析的に特徴付ける。 タイヒミュラー空間は大域実解析多様体となり、標識付きリーマン面上の閉曲線の長さや交角で記述されている。奥村は角度変数を新たに導入し、代表的なタイヒミュラー空間の場合に角度変数のみによる変数空間は解析しやすい集合であることを示していた。今年度は、基本的なタイヒミユラーモジュラー群を角度変数のみで表示することを試み、長さ変数による表示との関係、一般の群の表示を容易にする角度変数をどのように採れば良いかを考察した。 また、タイヒミユラー空間論・離散群論の専門家であるKra教授(アメリカ・ニューヨーク州立大学)が参加する研究集会を静岡大学等で開催し、研究連絡を行った。 さらに、単位円板に作用する一次変換の幾何をその平方根やトレースで特徴付けることから、リーマン面S上の単純閉曲線Lが分割していることを、Sを表現するフックス群Gの行列群への持ち上げを用いて特徴付けた。例えば、Sが種数p(pは2以上とする)の閉リーマン面の場合には、次の主張になる:Lに対応するGの一つの元をgとする。このとき、Lが分割しているための必要十分条件は、Gの任意の持ち上げ(2の2p乗個ある)にたいして、gを持ち上げた行列のトレースがいつでも負となることである。この結果の一部については、1999年8月のISAAC国際会議で講演し、投稿準備中てある。
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