研究概要 |
1.fを複素平面Cからn次元複素射影空間P^n(C)への超越的な正則曲線、XをN-劣一般位置にあるC^<n+1>-{0}の部分集合とする(N>n【greater than or equal】2)。このとき、{a_1,…,a_q}⊂X(q<∞)があって Σ^^q__<j=1>δ(a_j,f)=2N-n+1 が満たされているとする。 (I)N>n=2m(m∈N)のとき、δ(a_j,f)=1なるa_jが少なくとも[(2N-n+1)/(n+1)]+1個ある。 (II)N>n=2m-1(m∈N)のとき、次の(a),(b)のいずれかが成り立つ。 (a)δ(a_j,f)=1なるa_jが少なくとも[(2N-n+1)/(n+1)]+1個ある。 (b)qはN-m+1で割り切れる。 2.Wiman-Valiron理論をBinomial級数に対応する形に書き換えて、差分方程式に応用する研究をし、2,3の結果を得た。 3.Nevanlinna理論を適用して、ある種の差分方程式がもつ有理形関数解の性質を知ろうという試みが、数理物理学者らによって行なわれている。Joensuu大学のグループとの共同研究として、Malmquist typeと名づけられる方程式について、これまで得られていた結果の拡張と改良を行ない、微分方程式について知られたいわゆるMalmquist-Yosidaの定理との違いについて考察をおこない、一定の結果を得た。
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