研究概要 |
(A)λ_1,…,λ_<n+1>(n【greater than or equal】2)を相異なる複素数としたとき、指数曲線f_e=[e^<λ1z>,…,e^<λn+1z>]のDefect Relationを調べ、次の定理を得た。これは、一般論からは得られないものである。Xを一般位置にあるC^<n+1>-{0}の部分集合,X^+={α∈X|δ(a, f_e)>0},d_iをX^+にあるae_i(a≠O)の形のベクトルの個数,Dをλ_1,…,λ_<n+1>の凸包とする。定理.Dがn+1角形のとき。0【less than or equal】d_i【less than or equal】でΣ__<a∈X>δ(a, f_e)【less than or equal】n+1-Σ^^<n+1>__<i=1>α_i(1-d_i)(α_i>0). (B)fを複素平面Cからn次元複素射影空間P^n(C)への超越的な正則曲線、XをN-劣一般位置にあるC^<n+1>-{0}の部分集合とする(N>n【greater than or equal】2)。このとき、{a_1,…,a_q}⊂X(q<∞)があってΣ^q_<j=1>δ(a_j, f)=2N-n+1が満たされているとする。定理.N>n=2m(m∈N)のとき、δ(a_j, f)=1なるa_jが少なくとも[(2N-n+1)/(n+1)]+1個ある。 2)。このとき、{a_1,…,a_q}⊂X(q<∞)があってΣ^q_<j=1>δ(a_j, f)=2N-n+1が満たされているとする。定理.N>n=2m(m∈N)のとき、δ(a_j, f)=1なるa_jが少なくとも[(2N-n+1)/(n+1)]+1個ある。 (C)有理形関数の値分布論の応用として(a)Wiman-Valiron理論を応用してq-difference方程式についてその解の存在と増大度について研究し、微分方程式の場合と同様の結果を得た。また、動く対象(small functions)に対するUnicity問題を調べ,簡単な証明を与えた。(b)平面上で有理型な函数を係数にもつRiccati方程式の有理型函数解について調べ、方程式ω^1+ω^2+aρ(z)=0の解が、全て一価有理型であること等を示した。ここでρ(z)はWeierstrassのρ-函数で、g_3≠0,a=(1-m^2)/4;また、m(【greater than or equal】2)は自然数でm≠6nを満たすものである。
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