研究概要 |
1.(1)一連の高次元Clarkson型不等式をtype,cotypeで特徴づけ,M,Milmanの考察(1984)に,より一般的な枠組みで解答を与えた。またルベーグ・ボホナ-空間L_r(X)において,一般Clarkson不等式とランダムClarkson不等式が同値であることを示した。 (2)Uniform q-convexity不等式,uniform p-smoothness不等式を一般化した。またL_r(X)への遺伝性を示し従来の結果を一般化した。とくにbest constantが保存されることを示した。 2.(1)James定数,正規構造係数とvon Neumann-Jordan定数との関係を明らかにし,それらを例証する具体例を豊富に与えた。特にNJ定数の条件から不動点定理を導き,多くのバナッハ空間でGao-Lauの結果(1991,Studia Math.)より広いことを示した。また彼らの問いに解答を与えた。 (2)2次元Lorentz空間d(w,q)のNJ定数を決定,またJames定数を評価した。 (3)C^2上のabsolute normはl_p型でない例を豊富に与える。それらのNJ定数を決定あるいは評価した。またl_1-,l_∞-ノルム以外すべてのabsolute normはuniformly non-squareであることを示した。 3.C^2におけるabsolute normと[0,1]上の凸関数との1対1対応関係をC^n上に拡張した。 4.以上の成果を日本数学会秋季総合分科会,数理解析研究所研究集会,実解析シンポジウム等で,また"7th International Conference on Functional equations and inequalities"(Poland)及びComplutense University of Madrid(Spain)で発表した。なお上記研究成果の一部はL.E.Persson,L,Maligranda(いずれもLule Univ.,Sweden)との国際共同研究によるものである。
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