研究分担者 |
倉 猛 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10161720)
池畠 良 広島大学, 教育学部, 助教授 (10249758)
吉田 清 広島大学, 総合科学部, 教授 (80033893)
小林 孝行 九州工業大学, 工学部, 助教授 (50272133)
仙葉 隆 宮崎大学, 工学部, 助教授 (30196985)
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研究概要 |
本研究は,非線形偏微分方程式に対する時間大域解の挙動,有限時間爆発解の爆発点での解の特異性について解析し,解の構造および爆発点の構造を明らかにすることを目的としてきた。平成12年度において,2つのタイプの非線形移流拡散方程式(放物-楕円型方程式系,放物型方程式系)に対して,全領域における初期値問題および滑らかな境界を持つ2次元有界領域における斉次ノイマン境界条件のもとでの初期境界値問題について研究を行ない,以下の結果を得た。 1.放物型と楕円型方程式からなる2連立系で記述される非線形移流拡散方程式系に対する解の有限時間爆発の可能性について,必ずしも球対称でない場合について考察し,空間2次元では初期関数の積分量がある値より大きいとき解の有限時間爆発が起こりえ,空間3次元以上では初期関数の積分量が小さくても解の有限時間爆発が起こりえることをモーメント法を用いて示した。 2.空間2次元での有限時間爆発解の爆発時刻における爆発点での解の特異性は,孤立爆発点でデルタ関数的である.球対称解の爆発点は原点のみである.従って,有限時間で爆発する球対称解は原点でのみ爆発しデルタ関数的特異性を持つ.特に,放物-楕円型方程式系の場合は,爆発点は有限個であることが示せた. 有限時間爆発解の爆発時刻での形状については今後の課題である.
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