研究概要 |
本年度は,次の事を行なった。 1,昨年度出したu_t-△u^m=K(x)u^pの形の方程式のCauchy問題の大域解の存在・非存在についての結果を論文としてまとめた。 2,いわゆるpeaking solutionを持つような非線形項がsupercriricalである方程式u_t-△u^m=u^pの非負解の挙動について考えた。これについては,学芸大学の溝口氏がm=1で初期値が球対称でコンパクトなsupportを持つ時解空間の構造について結果を得ている。我々は,この結果をm【greater than or equal】1またはゆっくりと減衰するような初期値に対して拡張する事,更に解の挙動についてより詳しく調べる事,についていくつかの新しい結果を得る事ができた。 研究課題は,対流項をもつ準線形放物型方程式u_t-△u^m+a・▽u^q=u^pの有界領域ΩでのDirichlet Problemの非負解の挙動について研究する事が目的であり,上の二つの仕事はa=0の場合にあたる。従って,今年度の結果とその証明の方法はa≠0の場合の対流項をもつ準線形放物型方程式の非負解の挙動について調べる上でに非常に役立ち示唆も与えた。
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