研究概要 |
1.離散群の研究において2つの元により生成される群の離散性の判定は重要である。複素双曲空間に作用するPU(I,2;C)においてHeisenberg translationを含む部分群が離散的かどうかの判定についてParkerは、メビウス変換群における清水の補題の一般化としてisometric sphereの半径とisometric sphereの中心のHeisenberg translationによって動かされる距離との関係を用いて論じた。一方、BasmajianとMinerは、Stable Basinという概念を導入し離散性を議論した。神谷は、まずBasmajian、MinerによるStable Basin Theuremを拡張し、Parkerの定理を用いることによりBasmajian、Minerの結果が導きうることを示した。 2.Goldmanの定義したPU(I,n;C)の元fのisometic sphereの概念をSiegel領域の任意の境界点yに対するgeneralized isometric spherely(f)に拡張しその性質を議論した。Gをyおよびαにおけるstability subgraupがideutityのみよりなるPU(I,n;C)の離散部分群とする。このときGの元のgeneralized isometric spheresの外部の交わり、すなわち∩f∈G-lidyExtIy(f)(これをPy(G)とおく)は、Gの基本領域となり、Dirichlet領域Dz(G)はz→yのときこのPy(G)に収束することを示した。
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