研究概要 |
1、複素双曲空間に作用するユニタリ群PU(1,2 ; C)のHeisenberg translationを持つ部分群の離散性についてBasmajianとMinerはstable basinという概念を導入して論じた(Inv.Math.131,85-136(1998))。一方、Parkerは、メビウス変換群において有名な清水の補題の一般化を行なった(Math.Z.225,485-505(1997))。両者の間の関連を明らかにすることが問題となった。PU(1,2;C)の元のdistortionに関する性質等を導きそれらを用いてまずBasmajian-Minerのstable basinに関する結果を拡張した。この結果を使いBasmajian-Minerの離散性が判定できる領域をより大きくすることにより彼等の定理を拡張した。次にこの結果が上記のParkerの定理から導きうることを証明した。 2.yをSiegel領域の境界の点とする。このときユニタリ群PU(1,n;C)の元fに対してgeneralized isometric sphere I_y(f)を定義しそれらがCygan metricに関するApollonius circleになることを示した。また、generalized isometric sphereの基本的な性質を明らかにした。次にgeneralized isometric sphereを用いてPU(1,n;C)の離散部分群の基本領域となる一般化されたFord domainを構成し、Dirichlet polyhedronとの関係を明らかにした。
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