研究課題/領域番号 |
11640199
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩井 敏洋 京都大学, 情報学研究科, 教授 (10021635)
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研究分担者 |
山口 義幸 京都大学, 情報学研究科, 助手 (40314257)
上野 嘉夫 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (80201953)
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キーワード | 多体系 / 主バンドル / ピータ・ワイル / 振動・回転 |
研究概要 |
本研究課題にいう幾何学的力学系理論とは、多体系の運動を幾何学的に研究するという意図をもったものである。研究代表者はかねてよりこのテーマで研究をつづけていたが、特異的な状況における理論は未完成であった。今回他研究科の研究者との共同研究で、一部進展をみた。その成果はまもなく出版予定である。空間内にN個の粒子があるという状況で、これらの粒子全体が一直線上に並んでしまうということが起こらなければ、微分幾何学にいうところの主バンドルの理論が回転群を構造群として適用できるのであるが、全粒子が一直線上に並ぶという特異的な状況が起きるとその理論が適用できなくなる。このような幾何学的には特異な状況でも、群の表現論の立場からは、ピータ・ワイルの理論を適用することで、研究を続けることができて、逆に微分幾何学に新しい知見を提供することができる。一言でいうと、これが今回の成果である。 さらに、粒子系のいろんな運動をテレビ画面でみられるように、購入した数式処理ソフトを利用して制作中である。振動が、結果として回転を引き起こすという主バンドル理論の適用結果は、テレビ画面での動画としてみると一層興味深いものである。さらに特異な状況が起こっている場合に実際に多粒子系が力学的にはどのような振る舞いをするのか、動画を制作することによって理解を深めることができる。 また、多粒子系が同一粒子からなる場合にも適用できるように理論を拡張中である。これは、主バンドルに構造群以外に離散的な群作用をうまく定義することで達成できる。
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