研究課題/領域番号 |
11640208
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
大域解析学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
隠居 良行 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (80243913)
|
研究分担者 |
井口 達雄 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (20294879)
小川 卓克 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (20224107)
川島 秀一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70144631)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
キーワード | Oberbeck-Boussinesq方程式 / 解の分岐 / 解の漸近挙動 |
研究概要 |
隠居はOberbeck-Boussinesq方程式のある種の定常解に対して、定常解が線形化安定性の臨界状態にあっても、初期撹乱の大きさに関係なく無条件安定であることを示した。さらに隠居は粘性による発熱の効果を考慮に入れたOberbeck-Boussinesq方程式タイプのモデル方程式を導出し、このモデル方程式については、熱伝導解が不安定になる制御パラメータの閾値(分岐点)が通常のOberbeck-Boussinesq方程式よりも大きくなるが、様々な空間周期パターンをもつ定常解がtranscriticalに分岐することを示し、熱伝導解は制御パラメータが閾値より小さくても有限振幅の撹乱に対して不安定であることを示した。また隠居は非局所的な非線形項をもつVlasov-Poisson-Fokker-Planck方程式の初期値問題を考察し、重み付きSobolev空間において不変多様体を構成することによって解の時間無限大における漸近形を求めた。川島は一般の双曲・楕円型連立系のある種の特異極限を論じ、この特異極限で双曲・楕円型連立系の解が対応する双曲・放物型連立系の解に収束することを、その収束の速さも込めて証明した。また川島は空間1次元の半空間における離散的Boltzmann方程式の初期・境界値問題を考察し、いくつかの境界条件のもとで、定常解の存在とそれらの時間無限大における漸近安定性を示した。小川はあるクラスの半線形分散型方程式の初期値問題において、初期値がDiracのデルタ関数のような一点だけの特異点を持つ場合に方程式の解が時間がたった後に時間と空間の両方向に付き実解析的になることを示した。また小川は3次元Euler方程式の解の爆発問題を考察し、爆発のための十分条件を渦度のある一般化されたBesov空間によるセミノルムによって与えた。井口は空間周期的な水底上の定常水面波の分岐について調べ、水底に小さな凹凸がある場合の可能な分岐パターンの分類を行なった。
|