研究概要 |
1.2変数合流型超幾何関数Φ_3について,その不確定特異集合の近くでの漸近展開,ストークス係数を計算した。また,その応用としてx=0,∞において特異点をもつ合流型Jordan-Pochhammer方程式の解について、その大域的性質を調べた。その結果として新しい1変数特殊関数を得ることができた。 2.二重周期有理型関数を係数にもつ線形常微分方程式について,その解の関数論的性質-位数,極,零点分布-を明らかにした。またこの結果を二重周期有理型関数を係数とするRiccati型方程式に応用し、その解について位数を計算した。また,特にWeierstrassのδ-関数を係数にもつRiccati型方程式については、ある条件の下ですべての周期解を決定した。 3.Painleve超越関数のうちIII型のものについて、その極,零点の分布,分岐指数をしらべた。また,I型,II型のものについては,small function との交点の分布,分岐指数についてある評価式を得た。 4.モノドロミー保存変形,三輪の定理を応用して,退化Garnier系のPainleve property を証明した。そして その結果,painleve propertyをもつ4階非線形常微分方程式を得ることができた。これはpainleveI型方程式の高階化に相当している。
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