• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

3次多項式写像族の力学系の研究(パラメータ空間の位相的構造について)

研究課題

研究課題/領域番号 11640218
研究機関東京工芸大学

研究代表者

中根 静男  東京工芸大学, 工学部, 助教授 (50172359)

キーワードstretching rays / parabolic arc / Bottcher vector / biquadratic maps
研究概要

実3次多項式写像族P_<A,B>(z)=z^3-3Az+√<B>の力学系を考える。そのJulia集合が連結になるようなパラメータ(A,B)∈R^2の集合(connectedness locus)C_3の構造を解明することが目的であった。本年度の成果として、特に第1象限内のparabolic arcの上方にあるstretching raysに対して、その上の不変量であるBottcher vectorが無理数ならばstretching rayはparabolic arc上のどの点にもlandしない、つまり、stretching raysはsin(1/x)のグラフのように振動し、その集積点集合は非自明な弧になるという驚くべき事実が証明されたことが挙げられる。3次多項式族のconnectedness locusがいかに複雑かを予期させる結果でもある。この結果を、外国旅費を使って渡米しJohn Milnor教授に話したところ、非常に興味をもって下さり、彼のホームページにその解説を掲載して頂いた。(http://www.math.sunysb.edu/^〜jack/を参照のこと。そこには彼が作ったプログラムによるstretching raysが振動する様子が描かれている。)Bottcher vectorが整数のときはlandすることも示されるので、有理数の場合が残ったことになる。この場合はlandしないと予想しているが、まだ証明はされていない。ただし、これは3次だからであって、4次の場合には有理数であってもlandすることがある。その例として、実biquadratic mapsの族P_<a,b>(z)=(z^2+a)^2+bがMilnor教授によって示唆された。この族の力学系の研究も今後の課題である。更に、stretching raysの集積点集合の特徴付け、stretching raysのparametrizationと集積点集合との関係等、新たな問題も提起された。総じて、科研費が非常に有効に使え、研究が進展した1年であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中根静男: "実3次多項式族のstretching rays"京都大学数理解析研究所講究録. 1087. 120-131 (1999)

  • [文献書誌] Y.Komori and S.Nakane: "Non-landing of stretching rays for the family of real cubic polynomia"京都大学数理解析研究所講究録. (予定). (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi