研究概要 |
1.コンパクトリーマン多様体MからNへの写像uでそのp-エネルギーE_p=∫|du|^pdxの臨界点としてp-調和写像は定義される。送り側の多様体Mが特にn次元球面S^n、かつp=nのときp-調和写像はn-調和球面と呼ぶことにする。この写像の表現定理を河合氏、中内氏との共著でcompositio mathematica、117(1999)33-43に発表掲載された。主定理は、任意のu∈C^1(S^n、N)に対して次の有限個のn-調和球面u^<(1)>、・・,u^<(k)>が存在する。 (1)[u]=[u^<(1)>]+・・・[u^<(k)>] (2)inf_<w∈[u]> E_n(w)=E_<n(>u^<(1)>)+・・・+E_n(u^<(k)>) (3)u^<(j)> is a minimizer of E_n in [u^<(j)>](j=l,....,k). ここで[u]はuのホモトピークラスをあらわす。またn=2の場合p-調和写像は普通の調和写像になりSacks-Uhlenbeckにより得られたものの拡張になっている。 2.リーマン多様体上のp-ラプラシアンの第1固有値λ_1を方程式div(|∇u|^<p-2>∇u)=-λ|u|^<p-2>uが非自明解をもつ最小のλとして定義する。λ_1の評価として普通のラプラシアン(p=2)の場合と同様の方法によりFarber-Krahn型、Cheeger型、Cheng型の評価を得て、1998年Tokyo.J.Math.Vol 21,135-140に発表掲載された。本年度においてこの離散版としてグラフ上のp-ラプラシアンを定義し、そのスペクトラムの評価としてCheeger型、Brooks型を得た。
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