研究課題/領域番号 |
11640223
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研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐藤 直紀 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 助教授 (90280370)
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研究分担者 |
愛木 豊彦 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90231745)
山田 章 長岡工業高等専門学校, 講師 (60311007)
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キーワード | 形状記憶合金 / ヒステリシス作用素 / 最適制御 |
研究概要 |
1 1次元形状記憶合金に対する数学モデルは、既にいくつか提唱されているが、それらの多くはランダウ理論に基づいている。すなわち、実験上ではヒステリシスループを用いなければ記述できない物質の性質を多項式による近似を用いて導出された微分方程式のシステムが考えられてきた。そこで我々はヒルベルト空間上で定義された凸関数の劣微分によって記述される発展方程式の理論をもとに、ヒステリシス作用素をそのままの形で方程式のシステムに組み込んだモデルを考え、その近似問題を考察した。そして、そのモデルに対して解の存在・一意性が成り立つことを証明した。 2 最適制御問題は工学上重要な意味をもつものとして広く研究されている。我々は、phase-field方程式と呼ばれる物質の相転移現象を記述する非線形微分方程式のシステムに対して最適制御問題を考えた。元のシステムが非線形であるから最適制御問題を考える際に扱うコスト関数も、勿論、非線形である。非線形の場合でも、数学的に最適解の存在を示すことは、それほど困難ではない。ここで、問題になるのはどのようにして数値計算上で最適解あるいは局所的な最適解を求めるかということである。我々は共役勾配法を用いて数値的に最適解を求めるとともに、そのアルゴリズムの正当性を数学的に証明することができた。非線形の場合、このように厳密な証明を与えたものは少なく、意味のある結果と言える。
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