力学的に釣合にある星間雲に、小さな揺らぎを与えてその後の動的な収縮過程を軸対称2次元の完全MHD数値シミュレーションを用いて調べた。 1.中心密度がn【similar or equal】10^<10>cm^<-3>程度に達するまでは、ガスは等温であり、有限の時間で中心密度が無限に上昇する暴走的収縮(fun away収縮)をすることがわかった。 2.この暴走的収縮は、その後期になるにつれて解析的に得られた自己相似解に漸近する。 3.多重格子法は、このような密度、空間の大きなダイナミックレンジを持つ問題を安定に解くためには、適した方法である。 中心密度がn【similar or equal】10^<10>cm^<-3>程度に達すると、ガスは断熱的となり中心にコアを形成する。その後、この断熱コアに外部の物質が降着する降着相に移行する。降着相では、断熱的コア形成後、数千年の時間が経過すると、その近傍からアウトフローが形成される。この成因は以下の2つである。 1.回転運動によって形成されたトロイダル磁場の外向きの磁気圧勾配。 2.砂時計型の磁場構造による内側から外側への角運動量の輸送。 アウトフローの流出にともなって、最終的に星となるコアの比角運動量は分子雲コアのそれから、星の代表的な値まで4-5桁にわたって減少する。
|