研究課題/領域番号 |
11640233
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川田 光伸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50280558)
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研究分担者 |
中川 貴雄 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (20202210)
佐藤 紳司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60192598)
芝井 広 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
金田 英宏 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (30301724)
土井 靖生 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70292844)
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キーワード | 赤外線 / フーリエ分光器 / 遠赤外線 / 分光観測 |
研究概要 |
フーリエ分光器を遠赤外線の天体観測に利用するためには、極低温環境下で動作することが非常に重要になる。遠赤外線は大気を透過しないこと、また大気自身が遠赤外線を放射することから、天体からの遠赤外線を観測するためには、大気を避け、上空、特に宇宙空間に観測装置を持ち込むことが理想的である。このような特殊な環境下で動作するフーリエ分光器を開発することが本研究の目的である。 フーリエ分光器を構成するためには、可動鏡の位置を測定する位置センサーが必要不可欠である。フーリエ分光器においては2光束の光路差を測定波長に対して十分精密に測定することが必要である。また、極低温下において動作しなければならない。すなわち、液体ヘリウム以下の温度で、鏡の位置を10cm程度の移動距離にわたり数ミクロンの精度で測定しなければならない。このため、精密スケールを光学的に読み取るという方式を採用した。市販のスケールにセンサー部を低温でも動作可能なものに変更し、2ミクロン精度で40mmにわたって計測することが可能となった。 高精度の位置センサーの開発すると同時に、鏡の位置測定精度がFFTによるスペクトルの再現精度に与える影響を、シミュレーションなどを用いて評価した。各データ点の位置のゆらぎよりも、全移動範囲にわたる絶対位置の精度のずれ(系統的なずれ)が重要になる。すなわち、絶対位置測定型よりも、インクリメンタル型の位置センサーの方が適している。われわれの採用した精密スケールはインクリメンタル型である。 現在、可動鏡の駆動機構と位置センサーおよび光学系と組み合わせた、フーリエ分光器としての評価を行っている。
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