研究課題/領域番号 |
11640234
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒河 宏企 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80135508)
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研究分担者 |
上野 悟 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70303807)
北井 礼三郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40169850)
柴田 一成 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144178)
吉村 圭司 京都大学, 大学院・理学研究科, 非常勤研究員
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キーワード | 太陽Hαサージ / 太陽プラズマ噴出機構 / 太陽磁気浮上領域 / 太陽活動領域 / 太陽コロナループ / 太陽磁気再結合 |
研究概要 |
飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡の高分解Hα単色像撮影装置を用いて、TRACE衛星の極紫外線望遠鏡及びYOHKOH衛星の軟X線望遠鏡との同時協同観測を太陽活動領域について、数回にわたって実施した。この中から三つの主要なイベントを選んで、解析を行った。又、これ等のデータについて、米国Palo Alto市のロッキード太陽研究所を訪問し、Allan Title博士Thormas Burger博士等と討論を行ない、次の結果を得た。 (1)マイクロフレア現象の温度構造と時間発展:Hα線(1万度)とTRACE171Å(100万度)では、フレアループの足下で小輝点がインパルシグに次々と増光する。又それ等は互いに場所的にも時間的にも良く一致している。一方、YOHKOH軟X線(数百万度)では足下の増光ははっきりせず、Hαおよび171Åより約1分遅れてループ全体が増光する。 (2)双極磁場浮上領域におけるプラズマ噴出現象:太陽面上に発生した磁場浮上領域と、太陽西縁上に発生した磁場浮上領域の双方において、Hα線とTRACE171Å及びLα線によってプラズマジェット噴出現象が同時に観測された。171Åでは、低温プラズマによる吸収による暗いジェットと高温プラズマ噴出による明かるいジェットが重なり合って噴出するのが見られた。特に注目すべき結果として、171Åループの足下の増光に伴って高温ループの膨張上昇現象が発見された。これは詳しい解析の結果、同一ループの上昇ではなく、次々と新たな高い大きなループが形成されたものと解釈された。これは足下に浮上した新しい磁場と既存のコロナ磁場との再結合によって新しいループが加熱・冷却されたものと考えられ、magnetic field reconnectionの一つの証拠と結論された。 (3)2000年5月〜6月にかけて、更に飛騨天文台、La Palmaのスエーデン天文台及びTRACE衛星の協同観測の計画が打ち合わされた。
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