研究課題/領域番号 |
11640234
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
黒河 宏企 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80135508)
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研究分担者 |
上野 悟 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70303807)
北井 礼三郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40169850)
柴田 一成 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144178)
吉村 圭司 京都大学, 大学院・理学研究科, 非常勤研究員
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キーワード | 太陽プラズマ / 太陽プラズマジェット / 太陽磁気浮上領域 / 太陽フレア / 太陽焦点領域 / 捩れた磁束管浮上 |
研究概要 |
本研究の目的は、太陽表面で発生するサージやフレア及びコロナ物質放出等のプラズマ噴出現象の発生メカニズムを観測的に調べることであった。その為に、飛騨天文台のドームレス太陽望遠鏡の高分解能Hα単色像撮影装置と米国TRACE太陽観測衛星及び、La Palmaスエーデン太陽望遠鏡等と国際協同観測を数回にわたり実施した。又、観測テーマ・方法の打ち合わせ及び得られた中間的成果の討論を米国ロッキード太陽研究所に出張して行った。得られた成果の主なものは以下の通り。 (1)1999年8月の国際協同観測期間中に、太陽の西縁に丁度新しい浮上磁場領域が現れ、その際に発生したプラズマ噴出現象を、飛騨天文台のHα線像とTRACE衛星の極紫外171A像及びLα線で同時に撮影することに成功した。これらの解析から、プラズマジェット噴出と同時に、高温ループの上昇現象が発見された。これらは、新しい浮上磁場と周囲のコロナ磁場とのリコネクションの証拠であると結論された。 (2)2000年5月から6月にかけて行われた国際協同観測において、非常に活発な活動領域NOAA9026が丁度東の縁から現れて、太陽面を通過する間に強いフレアとプラズマ噴出を起こすのを観測することに成功した。これらの詳細な解析を行った結果、強く捻れた磁束管が光球下から浮上した際に、捻れが磁気リコネクションによって解放されて、これらのプラズマ放出現象を引き起こしたと考えられる明らかな証拠が得られた。また、このリコネクションが、従来考えられていたコロナ中のみならず、光球上部から彩層底部で既に発生している証拠を初めて発見した。
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