研究課題
本年度はミラーコロナグラフ光学系の概念設計、および、その心臓部となる主鏡の製作を行った。コロナを精度良く測るためには望遠鏡による散乱光を最小限に押さえる必要があり、そのため、望遠鏡は入射光路に遮蔽物のない軸はずし光学系とする必要がある。結像性能と既存赤道儀の許容スペースを考慮し、主鏡仕様をφ150mm、f2250mmの軸はずし放物面鏡とした。また、散乱光と主鏡面粗さの関係を定量的に評価し、面粗さの仕様として5nm以下を目指すこととした。主鏡の製作・研磨は岡本光学加工所に依頼し、基盤の製作が完了した。主鏡面粗さの最終仕上がりを確認するためには、その面で生じる散乱光の強度を実測する必要がある。そのため、主鏡の製作と平行して散乱光測定装置の開発を進めた。その概念は、被検定試料を置いてレーザー光を当て、試料を中心に回転する長さ約1mのアーム上にセンサーを取り付けて、様々な反射角における散乱光強度を測定する、というものである。本年度は、この装置の概念設計および測定限界等の定量見積もりを行うとともに、必要な部品(回転ステージ、光センサー、アンプ、制御計算機など)の購入・製作を行った。引き続きシステムの構築を進めている。
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