研究概要 |
1) Nijmgen-Dポテンシャルを採用し,中性子物質にΛがy_Λの割合で混在した系を対象に行ったG行列計算結果に基づき,密度ρ及びy_Λ依存の有効相互作用V^^〜_<NΛ>,V^^〜_<ΛΛ>を構成した。また,Σ^-についての有効相互作用についても同様のアプローチを行い,ほぼ最終結果を得ている。 2) V^^〜_<NΛ>,V^^〜_<ΛΛ>及びこれまでのV^^〜_<NN>を用いて中性子物質でのΛ混在問題の計算を行い,出現密度ρ_t(Λ),混在率y_Λ(ρ),状態方程式(EOS)の軟化の程度等を議論した。P_t(Λ)はこれまで報告されている値(通常核密度の約2倍)よりもかなり高いこと,及びその理由を明らかにした。「混在問題はYN相互作用の選択以外にNN相互作用の選択(EOSのかたさの程度)に強く依存すること,また,相対論的アプローチで低いρ_t(Λ)が得られているのはこれの反映」という新しい知見を得た。 3) 有効相互作用を用いた有限温度( T>0)のハートリー・フォック方程式系を解く方法により,上記2)の研究をT>0の場合に拡張した。「有限温度ではρ_t(Λ)が低くなりΛが混在し易い」という事を新たに見い出した。現在2)と3)をまとめて論文を準備中である。 4) 中性子星コアに混在するハイペロンは超流動状態になりうるかについて調べた。「Λ超流動は起きること,また,これとの比較でΣ^-やΞ^-についても超流動の可能性が大きい」との結果を得た。これはハイパー核データからの知見に留意した現実的ΛΛ対相互作用の選択,及び,物質中でのΛハイペロン有効質量の分析に基づくものである。ハイペロン有効質量の分析結果については論文投稿中であり,ハイペロン超流動の結果についても現在論文を準備中である。
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