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1999 年度 実績報告書

円項を含む格子場の理論の数値実験およびくりこみ群による研究

研究課題

研究課題/領域番号 11640248
研究機関山形大学

研究代表者

井町 昌弘  山形大学, 理学部, 教授 (70037208)

研究分担者 米山 博志  佐賀大学, 理工学部, 教授 (50210795)
キーワード格子場の理論 / CP^<N-1>模型 / テータ項 / トポロジカル荷電分布 / Strong CP非保存 / 1次相転移 / とじこめ / ハルデーン予想
研究概要

平成10年度は,2次元CP^2模型のトポロジカル荷電分布P(Q)から,直接フーリエ変換でもとめたフリーエネルギー(「直接法」)のθ依存性が,あるθの値の所でフラットになることを確かめた.直接法でのフリーエネルギーはP(Q)の最大値であるQ=0の統計誤差からの寄与が原因でフラット化が起きうることがわかり,Schierholzが見つけたフラット化も同様の計算法によるものとすると統計誤差が重要で,「相転移」が原因だと結論づけるのは困難であるというのがわれわれが現在もっている評価である.H11年度からのこのプロジェクトでこの点に関する分析を精力的かつ注意深く行った.
これまでの分析で,サイズをL=20に止めたとき,β=0〜3.5ではトポロジカル荷電分布P(Q)∝exp(-αQ^γ)においてγ〜2.0であり,Gauss型分布であることが分かっている(strong coupling).β〜6ではγ〜1でNon Gaussianの特徴を示し、weak couplingと考えることができる.β〜4ではγ〜1.6で,中間結合と考えられる.強結合では分配関数はGauss型P(Q)から楕円テータ関数となることが分かりθ=πに一次相転移が現れる.これに対し弱結合ではγ〜1から分配関数はTschebysceff多項式の母関数型となりθ=πに一次相転移は見られない.
H11年9月米山(佐賀大),Burkhalter(筑波大)を山形に招いて,集中的に議論した.この研究連絡会では,サイズ依存性を中心に討論し,例えばβ〜4において,サイズL=10でγ〜1であったものが,サイズL=20ではγ〜〜1.6となり,L=40ではγ〜2となるらしいことが分かってきた.
今年度はAlpha 660MHzを追加し,これまでのコンピュータとあわせ,さらに大きなサイズの系の数値実験を開始した.上述のように系のサイズによって,トポロジカル荷電分布が大きく変わる可能性があることが分かり,これは今まで調べられていない特徴なので,系のサイズ依存性をさらにくわしく調べることが必要であるとの結論に達した.この点をさらに相関距離との関連も含めて調べていきたい.
H12年2月宗氏(新潟大)を招いて,格子上のフェルミオンとくりこみ群の問題について議論した.格子上の場の理論の今後の課題を考える上で有効な討論であった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M. Imachi: "Two-Dimensional CP^2 Model with θ-term and Topological Change Distributions"Prog.Theor.Phys.. 102・3. 653-670 (1999)

  • [文献書誌] M. Imachi: "Phase Structure of CP^<N-1> model with topological term"Nucl.Phys.B (Proc.Suppl.). 73. 644-646 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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