研究概要 |
昨年度に引きつづき,カイラル対称性とその自発的破れを光円錐上で記述する研究は,ドイツ,エルランゲン大学のLenz教授,Thies教授,東京大学の太田教授と共同で進めており,研究代表者は昨年7月22日から8月24日まで,エルランゲン大学を訪問して,特に,カイラル・Ward-高橋恒等式の応用について議論した。その結果,いくつかの進展があったので,近い将来,その成果を論文として発表する予定で準備を進めている。この共同研究は今後も続ける予定である。 一方,ベンツ東海大助教授,東大大学院生の峯尾氏,理化学研究所の石井博士との共同研究で進めている南部・ジョナーラジニオ模型による核子の相対論的クォーク模型の研究では,一種のクォーク・ダイクォーク近似の枠内で,核子の構造関数や磁気モーメント,軸性ベクトル結合定数などを計算し,それらに対する軸性ベクトルダイクォーク間相互作用の影響を調べた。この結果は,Nuclear Physics Aに掲載が決定している。
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