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動的自由度として構成子クォークを含み、その間の相互作用として、通常用いられる1グルーオン交換有効相互作用と閉じこめ力の他に、インスタントンの影響による相互作用、および、π、σ中間子による相互作用を導入したクォーク模型を用いて、バリオン単体系の性質や、多体系におけるバリオン内部自由度の影響を研究した。
非相対論的クォーククラスター模型(QCM)を用い、短距離部分はクォーク間相互作用、中長距離部分はクラスター間に働く中間子交換力が存在するとして、観測量を再現するバリオン間相互作用を導出し、その性質を調べた。また、インスタントンによる有効相互作用を入れた模型を用い、u、dクォークの質量差をカレントクォークのものとほぼ同じであると仮定すると、核力に見られる荷電対称性の破れの短距離部分は、クォークの質量差によって説明できることを明らかにした。更に、バリオン内でのクォークの相関を考慮してバリオン単体系の振る舞いを調べた結果、カイラルクォーク模型を用いると、バリオンの正負パリティの励起状態の質量スペクトルを、ローバー共鳴状態も含めて3クォーク状態で記述できることがわかった。
QCMから導出されるバリオン間相互作用は非局所的である。この非局所性の観測量に対する影響について、逆散乱問題を用いて調べた。その結果、クォークに対するパウリブロッキング効果の小さいチャネルでは、局所・非局所のどちらの相互作用もほぼ同じオフシェルの性質を示し、局所ポテンシャルで、元の相互作用を近似できることが示唆された。一方、ほとんど禁止される状態があるチャネルでは、オンシェルを再現する局所ポテンシャルとクォーク模型から得られるバリオン間相互作用のオフシェルの性質は大きく異なり、k>1.5fm^<-1>程度の低い運動量からG行列中にその違いが見え、ハイパー核の性質にも影響を与え得ることが明らかになった.
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