研究概要 |
重力場の量子化 アインシュタイン重力が摂動論的に量子化出来ないことは知られているが,ゼロ質量テンソル場としての重力場の量子化にはいくつかの理論が存在することはあまり知られていない。その主な理由は量子化が超ミクロなスケール(Planckスケール)を対象とした問題であるのに対し,一般相対論は宇宙スケールでの問題であるため、それらの間のギャップが大きすぎることにある.事実,量子化した場が古典重力場にどのように移っていくのかを知るには量子場の古典極限を採る必要がある.この作業が困難なため,いくつかの理論が提案されているにもかかわらず,いまだ満足の行く重力の量子化が完成されたと考えられていない. 私達は空間を三角分割し数値的に量子化することによりミクロとマクロのスケールをつなぐ事を目指している.今年度は重力場に結合する場としてU(1)ゲージ場のほかにスカラー場を導入することにより4次元共形量子重力理論を肯定的に検証した.すなわち1個のU(1)ゲージ場と62個リスカラー場が空間に同等の作用を及ぼす事を確かめた現在は数値的に得られた空間がアインシュタイン重力理論の解となっている事を確かめることにより一般相対論との関係を打ち立てる事を目指している.
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