研究課題/領域番号 |
11640267
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
末松 大二郎 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90206384)
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研究分担者 |
久保 治輔 金沢大学, 理学部, 教授 (40211213)
寺尾 治彦 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (40192653)
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キーワード | 超弦理論 / 超対称性 / 統一理論 / ヒッグマ粒子 / ニュートリノ |
研究概要 |
超弦理論の低エネルギー領域の有効理論にしばしば現れる余分なU(1)対称性とゲージ一重項を持つ模型は、超対称標準模型に内在するμ問題を解決する可能性を持つなど大変興味深い。本研究ではこの模型の現象論的特性に関する検討をいくつかの観点から行なった。本研究において得られた主たる成果の概要は、以下の通りである。 1.比較的軽い中性ヒッグス粒子の存在は超対称模型に共通の特徴であり、その質量の上限値を定量的に調べることは実験的に模型の是非を見究める上で重要な課題である。ここでは、繰り込み群による解析を用いて、軟らかい超対称性の破れに対する輻射補正の効果により正しく対称性が破れることを条件として課すことによりパラメータ空間を制限し、その範囲で中性ヒッグス粒子の質量の上限値を評価した。μ問題を解決し得る別の簡単な良く似た模型として知られているNMSSMの中性ヒッグス粒子の質量の上限値を同様に調べることにより、両者の模型でこの質量の上限値に大きな差は無く、ヒッグス粒子探索という点からは、余分なU(1)を持つ模型はNMSSMとほぼ同じ可能性を持つことを指摘した。さらに、軟らかい超対称性の破れに対する和則を用いて、新たなμ問題に対する解の可能性を考察した。 2.ニュートリノ振動実験を通してニュートリノ質量の存在がほぼ確かなこととなった現在、ニュートリノ質量の説明は模型の有効性の重要な判定条件となったと言える。ここで取り上げた模型はある特別な条件下で小さなニュートリノ質量の実現を可能とする。一つの可能性は、新たに加わるゲージーノとニュートリノの混合から生まれ、他の可能性は、通常の統一模型と比べて湯川結合定数への群論的制限が弱いことから生まれる。これらの特性に焦点をあて、太陽ニュートリノ問題と大気ニュートリノ問題を同時に説明する問題についてそれぞれの立場からの考察を行こない、これらの可能性から生み出され得る質量行列を提案した。それらを用いて太陽ニュートリノ問題に対する大きな混合角を持つMSW解の実現可能性について調べ、そのような解が比較的容易に実現され得ることを示した。
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