• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

終端型時空特異点の分類による宇宙検閲仮説の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11640273
研究機関京都大学

研究代表者

小玉 英雄  京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (40161947)

研究分担者 中尾 憲一  大阪市立大学, 理学部, 助教授 (90263061)
キーワード一般相対論 / 時空特異点 / 宇宙検閲仮説 / 重力崩壊 / 特性初期値問題
研究概要

本年度は,研究計画に従って,まず球対称系の解析を行った.具体的な研究の内容および成果は次の通りである.
i)昨年,質量ゼロのスカラ場と重力場からなる球対称系について宇宙検閲仮が成り立つことがChristodoulouにより証明された.小玉は,特性初期値問題の有効性を調べるためにこの証明を詳細に検討し,この証明において解のなめらかさのクラスを有界変動関数に広げることが本質的であること,およびこのクラスでは証明が不完全であることを明らかにした.
ii)小玉は,Tolman-Bondiモデルを特性初期値問題の視点から解析し,中心に現れるフォーカス型の特異点と同様,殻交差型特異点も普遍的な分数べき型のスケール不変な構造を持つことを見いだした.現在,このような特異点の構造が一般の球対称系でも現れるかどうか,またそのメカニズムは何かを解析中である.
iii)中尾は原田知広,井口英雄と協力して,Tolman-Bondi時空のフォーカス型中心特異点の摂動に対する安定性を調べ,特異点によって生じるCauchyホライズンが奇パリティの摂動に対しては安定であるが,偶パリティの摂動はCauchyホライズン上で発散することを示した.これは,対称性を持たない系で宇宙検閲仮説が成り立つことを示唆する興味深い結果である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hideo Iguchi,Tomohiro Harada,Ken-ichi Nakao: "Gravitational Radiation from a Naked Singularity : Odd Parity Perturbetion"Prog.Theor.Phys.. 101・6. 1235-1252 (1999)

  • [文献書誌] Tomohiro Harada,Ken-ichi Nakao,Hideo Iguchi: "Nakedness and Curvature Strength of Shell-Focusing Singularity in the spherically Symmetric Spauctime with Vaniching Radial Pressure"Classical and Quantum Gravity. 16・8. 2785-2796 (1999)

  • [文献書誌] Hideo Iguchi,Tomohiro Harada,Ken-ichi Nakao: "Gravitational Radiation from a Nated Singularity II : Eron-Parity Pertur bation"Prog.Theor.Phys.. 103・1. 53-72 (2000)

  • [文献書誌] Osamu Seto,Ken'ichi Yokoyama Hideo Kodama: "What Happens when the inflaton stops during inflation"Phys.Rev.D. (発表予定). (2000)

  • [文献書誌] Tomohiro Harada,Hideo Iguchi,Ken-ichi Nakao: "Naked Singulariy Explosion"Phys.Rev.D. (発表予定). (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi