1999年には基研研究会との合同(「ガンマ線バースト」)でまた、2000年は西宮湯川シンポジューム「Gamma-ray Bursts and High Energy Astrophysics」のポストシンポジュームとしての基研研究会「高エネルギー宇宙物理学の展望」を共催した。また、2001年にも基研研究会との合同(「ガンマ線バースト(GRB2001))を共催した。参加者はそれぞれ60名、130名、50名程度で活発な議論がなされた。特に2001年の研究会の19の講演中、9つの講演がPDF、院生によるものであった。これはガンマ線バーストの研究が若手が大きな部分を担って推進されていることを示している。誠に頼もしい限りである。それとこの研究会で新しく見えてきたことはガンマ線バーストの研究において「Central Engine」以外に、宇宙の最も初期の星形成、銀河形成の研究に大きな展望が生まれたことである。簡単に言えば「Central Engine」が何であろうとどうでも良いと思っている人にもガンマ線バーストが目を離せない対象になったということである。 個別の研究成果としては、1)GRB980425のゆっくりと減少するX線afterglowはGRBがジェットで、我々の視線がジェットの軸と15度位であれば説明できることを示した。2)GRBが小さなサブジェットからなっているとすると、たまたまoff-axisにでたサブジェットはX線領域となって、X-ray precursorやX-ray postcursorが説明出来ることを示した。これはサブジェットモデルとしてこの分野で受け入れられている。3)サブジェットに対するviewing angleによって、最近指摘されているPeak-Luminosity-Spectral-Lag Relationが説明出来ることを示して注目されている。4)以上のようなサブジェットを作り出す自然なCentral Engineのモデルはミリ秒パルサーである。また、観測的にGRBのエネルギーは〜5×10^<51>ergsと言うことになってきているが、これも丁度ミリ秒パルサーの回転エネルギーに一致する。
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