研究概要 |
[1]ハイペロン(Y)と核子(N)の混在した核物質中でのYN・YY有効相互作用及び中性子星物質におけるハイペロン混在の研究。「Single-particle potentials and effective masses of hyperons in hyperonic nuclear systems」(Prog.Theor.Phys.103(2000)981)by Y.Yamamoto,S.Nishizaki and T.Takatsukaにおいて、ハイペロン(Λ,Σ^-,Ξ^-)の混在した核物質中でのハイペロンの一体ポテンシャルや有効質量がG-matrix theoryに基づく計算によって調べられた。「Effective YN and YY interactions and hyperon-mixing in neutron star mattetr」(Prog.Theor.Phys.105(2001)to be published)by S.Nishizaki,Y.Yamamoto and T.Takatsukaにおいては、中性子星の殻領域におけるハイペロン混在が中性子星物質の状態方程式のソフト化と中性子星の最大質量の大幅な低下をもたらすこと、そして観測結果と矛盾しないために高密度で働くバリオン間の3体斥力が必要であることが議論された。以上の結果は、「International Conference on Hypernuclear and Strange Particle Physics」(Torino,Itary,October,2000)における招待講演とし山本によって発表された。「The possibility of hyperon superfluids in neutron star cores」(Prog.Theor.Phys.105(2001)179)by T.Takatsuka,S.Nishizaki,Y.Yamamoto and R.Tamagakiにおいては、ハイパー核やYN・YY相互作用の研究を踏まえて、中性子星の殻領域に混在するハイペロンが超流動状態になっている可能性が検討された。 [2]ハイパー核の構造とYN・YY相互作用の研究。「ΛN spin-orbit splittings in ^9_ΛBe and ^<13>_ΛC studied with one-boson-exchange ΛN interactions」(Phys.Rev.Lett.85(2000)270)by E.Hiyama,M.Kamimura,T.Motoba,T.Yamada and Y.Yamamotoにおいては、^9_ΛBe(α+α+Λ model)と^<13>_ΛC(α+α+α+Λ model)におけるΛ single particle statesのspin-orbit splittingが、種々のΛN間LS interactionsから導かれた。その後の実験データとの比較により、quark modelによって示唆されるLS interactionとAntisymmetric LS interactionの強いcancellationの可能性が明らかになった。「Hypernuclear properties derived from G-matrix interactions」(Proceedings of the APCTP Workshop,World Scientific,2000,p60)by Y.Yamamotoにおいては、Λハイパー核のレベル構造に反映されるΛN有効相互作用の特質について議論された。「ΞN and ΞΞ OBEP and Ξ^--nucleus bound states」(Prog.Theor.Phys.105(2001)to be published)by M.Yamaguchi,K.Tominaga,Y.Yamamoto and T.Uedaにおいては、愛媛大学グループによるYN・YY OBEP相互作用のΞN及びΞΞ部分のパラメーターが、Ξ^--nucleus bound statesのデータを用いて決定された。 補助金の主な使途は、共同研究者との研究連絡及び国際会議出席・講演のための旅費である。
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