研究課題/領域番号 |
11640289
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
桂川 秀嗣 東邦大学, 理学部, 教授 (70130359)
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研究分担者 |
金 衛国 東邦大学, 理学部, 助教授 (20277346)
箕輪 達哉 東邦大学, 理学部, 助教授 (10181968)
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キーワード | 超微細相互作用 / 原子核モーメント / レーザーRF二重共鳴分光 / レーザー冷却 |
研究概要 |
本研究では、レーザー冷却法を用いて、超低速度(約10cm/s)の原子線を作り、これを用いてレーザーRF二重共鳴分光法によって超高分解能・超高精度のレーザー分光を実現することを目的とする。 今年度は、K原子について、レーザーRF二重共鳴分光を行った。Kは、^<39>Kと^<41>K2つの安定同位体及び^<40>K超長寿命放射性同位体がある。^<39>Kは中性子数のmagic numberの核種で、これらの同位体が核構造的にも興味深い。 本研究では、まず、K原子線源を製作し、実験装置を改良した。レーザーRF二重共鳴分光を行うために、4s^2S_<1/2>から4p^2P_<1/2>への770nmの光学遷移を用いて、K原子の蛍光スペクトルを観測し、超微細構造ピークを同定した。そして、RFループを取り付け、光ポンピング効率を調べ、最適な実験条件を得た。本研究は、残留磁場におけるRF共鳴スペクトルを観測した。これは、従来の残留磁場を補正する方法より、方法が簡単で、磁場補正の不十分によるZeeman分岐の広がりがないため、測定精度が高い。観測されたRFスペクトルから、^<39>Kと^<41>Kの基底状態4s^2S_<1/2>の超微細構造分岐エネルギー、そして超微細構造定数を0.2kHzの高精度で決定した。決定した超微細構造定数から、核内磁気分布を表す超微細構造異常を調べ、超微細構造異常が大きいであることがわかった。
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