研究概要 |
日米共同研究である原子核乾板を用いた宇宙線観測実験(Japanese-American Cooperative Enuclsion Experiment;JACCT)の実験データ収集システム開発とエネルギースペクトルの研究を行なった。データ解析システムの導入を行い原子核乾板の自動解析に取り組み,日立プロセスコンピューティングの画像処理(認識)システムIP5000とオリエンタルモータのαステップ・ステッピングモータを導入し、ソフトウェア開発を行なった。原子核乾板内での飛跡の認識方法として、従来のマルチフォーカスデータの2値化並びにそのコインシデンスを利用することとした。またシステムの高速化のため、IP5000内部のハードウェア処理によって前処理,本処理とデータ収集をパイプライン化して行うことに成功した。DCサーボーシステムからステッピングモータ化することで、ステージのハンチングを防止し、画像への振動の影響を除去することができた。宇宙線の飛跡認識率が現在まだ低く,改良が必要である。これは、原子核乾板中のノイズによるチャンスコインシデンスと、表面処理の影響であることが分かった。KNEE領域までのリジディティ測定とカロリメータデータを用いたスペクトル解析は、X射粒子の荷電決定後に公表する予定である。
|