研究課題/領域番号 |
11640293
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
吉村 喜男 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50013397)
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研究分担者 |
竹内 富士雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (40121537)
小林 正明 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40013388)
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キーワード | π^+π^-原子 / 二硫化モリブデン / 挑接着 / 2粒子事象検出 |
研究概要 |
今年度の研究概要は 1。研究開発中のシンチレーションファイバーホドスコープをヨーロッパ連合原子核研究所(CERN)で行われている国際協力実験CERN-PS212(DIRAC)「π^+π^-原子の寿命測定」で使用する方法を検討した。設置位置を変えながら放射線粒子の通過位置や通過時間の測定精度をシミュレーションで計算した。使用することにより近接π^+π^-をよりよく検出でき、実験精度が飛躍的に上がることが分った。 2。直径0.25mmのシンチレーションファイバーを使用してホドスコープを組み立てるために、製作機器の材料を調査して製作した。ホドスコープを組み立てるには、シンチレーションファイバーとクリアーファイバーを透明エポキシ樹脂で接続し、ファイバー間の混信を防ぐためにそれらを並列配置して白色塗料で板状にする。それを10層程度積み重ねつつ接着せねばならない。製作機器は使用される接着剤や白色塗料から容易に剥離し、ファイバーを並べる溝(深さ0.1mm程度)が鮮明でなければならない。そのために製作機器の材料と表面処理として、真鍮へのテフロンコート処理、アルミニュームへの二硫化モリブデンコート処理、これらのシリコン処理をしたものなどを比較テストした。これにより製作機器を作り、モデルホドスコープを組み立てた。 3。放射線粒子がホドスコープに垂直に入射しないとき、隣り合う2つまたは3つのファイバーのコラムを通過することになる。この場合と実際に2つの粒子が入射した場合との区別が必要で、分別回路を検討した。どのコラムを粒子が通過したかは、そのコラムの光量と両隣の光量の1/4を足し合わせて、最大になるコラムを通過コラムとするのが最適であった。この場合1つおいてその次のコラムに通過した2粒子事象も検出できる。
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