研究概要 |
薄型CCDバーテックス測定器を安定に支持するために従来より半径を小さくする可能性について研究した。測定器のソレノイド磁場を2テスラから3テスラにあげるとバーテックス領域に入射するバックグランド粒子の回転半径が小さくなるので測定器を衝突点に近づけることができる。詳細なシュミレーションにより、20%程度近づけても2テスラの場合と同程度のバックグランドヒット数にできること、また、測定器のサポートシステムの振動解析を行ったところ数ナノ程度以下には十分押さえられること等が分かった。バーテックス測定器に用いるCCD素子本体に関しては1cm幅、5cm長の素子に4個所の読み出し口をつけて高速読み出しすることを検討中である。素子本体の厚さとしては20μm厚のものは可能である。またバーテックス測定器近辺で予想される放射線量は10年間の運転で電子が10^<12>e/cm^2,中性子が10^9n/cm^2程度であるが、放射線耐性の測定の結果、従来の手法により作成したCCDでもこの程度の放射線量に耐えられることがわかった。一方、20μm厚だとたわみが100μmのオーダーになるので、ベリリウムで数μm以下に抑えることを検討している。
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