研究概要 |
1.PC(WindowsNT)でのJava、CORBA開発環境の整備 本年度は、ミドルクラスPC(Windows/NT)、及びCORBA機能を含むJava開発支援ソフトウエア(J-Builder3)を購入した。このPCを高エネルギー研の電子陽電子入射器に導入し、既存の制御システム(Unix-based)とPC間でのCORBA規約による通信テストが自由にできるよう整備した。 2.PC上のJava appletとUnix側CORBA serverを接続する試験 電子陽電子入射器の機器情報をリアルタイム表示させる例として、真空データ表示(Java applet)およびサーバ(CORBA server)、また運転モード表示およびその情報サーバを試作した。原理的な基本動作を確認した。表示側プログラムであるJava appletはPC(J-Builder環境)で動作する他、downloadすればUnixやlinux、Windows98など他のplatformでも動作し、移植性の高さを実証できた。またサーバ開発では、既存のC-baseの制御システムライブラリをCORBA(C++)から利用するが、そのためのwrapper class設計などで経験の蓄積が必要であった。一方、Javaのversion差異による動作不良、複数のCORBA ORB(Object Request Broker)を共存させる場合のサーバ設計の制限などでは、現在も検討が続いている。今後、試作したプログラムを実際の加速器運転で月単位の長期に渡って使用し、問題点を洗い出す予定である。 3.国際集会での成果発表および意見交換 1999年10月の国際大型加速器・物理装置の制御会議(ICALEPCS'99,イタリア)で、試作したプログラムおよび開発状況の報告を行った。会議では、Java、CORBAとも強い関心を持って受け入れられていた(ESRFのTANGO/CORBA環境、CERNの共通Java加速器class開発など)が、両者を同時に使うメリットを強調しているのはまだ我々だけのようであった。
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