強い2配位共有結合で結ばれた3回らせん鎖構造をもつセレン(Se)、テルル(Te)のカルコゲン結晶は常圧下で半導体的性質を示すが、それぞれ約180kbar、40kbarの圧力下で半導体-金属転移を起こし金属相へと転移する。本研究ではダイヤモンドアンビルセルを用いてセレン、テルル及びセレン-テルル混合系の光反射率を常圧から200kbarまでの種々の圧力下で測定し、半導体-金属転移に伴うカルコゲンの電子状態の様相を議論することを目的とする。 本年度は、ダイヤモンドアンビルセル内にセットした微小試料からの光反射率を近赤外領域から紫外領域までのエネルギー範囲で測定可能とする顕微分光装置を分光器、光検出器、各種光学部品等を組み合わせて設計・製作した。測定はセレンについて行い、得られた反射率スペクトルから振動子フィッティング法を用いて光学伝導度、誘電関数等の光学定数を導出した。
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