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1999 年度 実績報告書

軟X線発光の偏光分光によるsp結合半導体の価電子緩和の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11640306
研究機関東北大学

研究代表者

柳原 美広  東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (40174552)

キーワード軟X線発光 / 内殻励起 / 価電子緩和 / チッ化ホウ素 / 多層膜 / 多層膜回折格子 / 偏光分光
研究概要

固体中の原子の内殻を励起すると、突然生じた正孔の影響によって外殻電子にはshake-up効果を始めとする様々な緩和が起こる。その顕著な例がf電子系であるが、価電子帯が局在性の弱いs電子とp電子の混成軌道から成るsp結合半導体(sp電子系)においても価電子の再配置を示唆する結果が軟X線発光分光の研究から得られている。そこで本研究はh-BNを始めとするsp結合半導体における内殻励起に伴う価電子の再配置を、主に軟X線発光の直線偏光分光実験によって実証していく。先ず軟X線発光の直線偏光分光実験を実施するため、多層膜回折格子を基礎にした軟X線偏光分光計の設計を完了した。装置の製作は本研究所機械工場で始められている。はじめはB1s発光(約180eV)に絞って研究を行うため、回折格子に蒸着する多層膜としてMoとB_4Cの組み合わせを選んだ。シミュレーションの結果、全積層数が80層のときピーク反射率と半値幅の兼ね合いが良好であることが分かった。マグネトロンスパッタ装置を用いてSiウェハー上にMo/B_4C 81層膜を試し蒸着し、放射光を用いて評価した結果、入射角45^○ のとき184eVで16%のピーク反射率を確認した。この結果を基に、回折格子に多層膜を蒸着する準備を整えた。これと並行して、h-BNのB1s吸収端で観測されたπ発光異常がπ軌道電子の再配置であることを実証するため、π電子再配置モデルが予言しているX線光電子スペクトル(XPS)のB1s主ピークに伴うサテライトピークの確認を行った。その結果、期待されるエネルギーより僅かながらずれた位置に小さなピークが確認できた。これについては更に検討を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 宮田登: "h-BNのNIS共鳴励起発光スペクトルII"日本物理学会講演概要集 第4分冊. 54・2. 652 (1999)

  • [文献書誌] 波岡武: "X線結像光学"培風館. 309 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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