カーボンナノチューブの力学的強度に関する研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11640324
• 研究機関: 石巻専修大学
• 研究代表者: 仁科 雄一郎 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (90005851)
• 研究分担者: 粕谷 厚生 東北大学, 学際研究センター, 教授 (10005986) ; 前田 敏輝 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (80202307)
• キーワード: グラファイト / カーボンナノチューブ / 石英被覆 / 拡張力 / 臨界破断

研究概要

カーボンナノチューブは、希ガス中で金属とカーボンロッド間の放電による蒸着によって作製される。しかしながら単離出来るカーボンのナノチューブは直径1〜10ナノメーターと細いのにともない、長さも1μm程度と極端に短く、その拡張力を測定するには極めて不利な形状であり、機械的強度を持つ素材としての実用性に乏しい。
我々は石英の中にカーボンナノチューブの原料を真空対じ込め、温度1000℃付近に加熱した後、急冷する際に引伸ばすことにより、化学反応性に耐えるカーボンナノチューブを石英細管に封入することに成功した。このカーボンナノチューブ束は長さ数、乃至数十cmの長さを持ち、耐化学反応性、耐高温性(800℃付近迄)を持つと同時に非常に強い拡張力(約10^<11>kg/mm^2)を持つことが単純な機械的試験結果より判明した。この、驚異的な強度ナノチューブ束の微細共有構造の完全性に起因するものと考えられる。

研究成果

• [文献書誌] Y.Nishina et al: "Mechanical Intensities of Quartz Clads Carbon n-Tube Bundles"Proc,Int,Symp.on Nanswires (Kamakura). Abst.. Q3 (2001)
• [文献書誌] K.Tohji,A.Kasuya et al.: "Extraction of Exotic Fullerenes and Purification of Single Walled Nano"Fullerene Science & Technology. 7・4. 663-679 (1999)
• [文献書誌] T.Wakta,A.Kasuya,Y.Nishina: "Absorption & Thermal Reaction of C_<70> on Si(111)-(7×7) and Si(100)-(2×1)"Applied Surface Science. 144-145. 653-656 (1999)