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1999 年度 実績報告書

層状高温超伝導体の無機ポリマー膜化

研究課題

研究課題/領域番号 11640331
研究機関東北大学

研究代表者

社本 真一  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90235698)

研究分担者 梶谷 剛  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80134039)
キーワード高温超伝導体 / 無機ポリマー膜 / 層状窒化物 / 剥離
研究概要

当初購入予定だったグローブボックスが,広島大学より移管していただけることになり,今年度はこのガス精製型グローブボックスの整備に予算を集中して使ってきました.その結果,当初の予算だけでは考えられなかった水分濃度2ppm以下という世界最高水準に近い環境を実現することに最近成功しました.一般に酸素濃度は水分濃度に比べ低いので,これでようやく,実験条件が整ったと考えています.今後,無機ポリマー膜化を試みる予定です.この間に平行して進めてきた実験には以下のものがあります.
Tetrahydrofurane(THF)により層間が広がらないNa_xHfNCl系では,超伝導転移温度T_cが本来の25.5Kより本質的に低く,20.0Kになることがわかりました.さらに広島大学の山中グループとの共同研究でPropylene carbonateをそのNa_xHfNCl系にコインターカレーションすることで,T_cが上昇し,本来の価に近づくこともわかりました.この実験結果は,我々のHfNCl試料にLiとTHFをコインターカレーションすることでも確認できました.Na系では層間が広がらないことから,THFは層間に入っていないと考えられてきましたが,ICP分析の総重量が合わないことや,MARIおよびAGNESの中性子散乱実験の結果から,THFがNa間の隙間に入っている可能性がでてきました.またNa濃度xを増加させると,0.5以上で構造が一部アモルファスになることがわかりましたが,それに対して,T_cはxが0.5を超えてもゆるやかに減少するだけで,体積分率もx〜1/6でピーク状に極大をもちその後はほとんど変化のないことがわかりました.これはこの超伝導の2次元性を反映したものとして理解できることがわかりました.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Shamoto et al.: "Structural study on novel 2D superconductor Na_xHfNCl"Journal of Physics and Chemistry of Solids. 60・8-9. 1431-1434 (1999)

  • [文献書誌] S.Shamoto et al.: "Hydrogen in β-ZrNCl"Journal of Physics and Chemistry of Solids. 60・8-9. 1511-1514 (1999)

  • [文献書誌] S.Shamoto et al.: "Magnetism of CaNiN"Journal of Physics and Chemistry of Solids. 60・8-9. 1157-1160 (1999)

  • [文献書誌] H.Harashina et al.: "Neutron scattering study on Zn-doped YBa_2Cu_3O_<6+x> system"Journal of Physics and Chemistry of Solids. 60・8-9. 1087-1090 (1999)

  • [文献書誌] M.Yamada et al.: "Cold-neutron scattering study of La_<2-x>Sr_xCuO_4"Journal of Physics and Chemistry of Solids. 60・8-9. 1439-1442 (1999)

  • [文献書誌] S.Shamoto et al.: "Magnetic Susceptibility in 2D Superconductor Na_xHfNCl System"Molecular Crystals and Liquid Crystals. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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