| 研究概要 |
強相関電子系の基底状態波動関数および熱力学を計算するための量子転送行列の数値計算を並列処理するための予備的研究を行った。また強相関電子系の動力学について以下の研究を実行した。
1次元近藤格子の有限温度における局所物理量の動的相関関数を有限温度密度行列繰り込み群によって調べた。近藤絶縁体にホールをドープしたときの局所的な電荷およびスピン揺らぎの動的相関関数を計算し、絶縁体におけるエネルギーギャップと共にドーブに伴う新たな小さなエネルギースケールが現れることを示した。またこの小さなエネルギースケールが基底状態のラッティンジャー液体のスピンと電荷の励起と関係していることを示した。
2次元t―J模型の1電子励起スペクトルを計算し、特に波数(π,0)の1電子レベルとd波超伝導相関の関係を調べた。次近接、次々近接原子間の電子のホッピングによって(π,0)の1電子レベルが動く時、このレベルがフェルミエネルギーに近いほど超伝導相関が発達することを示し、物質設計に示唆を与えた。
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