研究概要 |
1/4充項バンド電荷移動型低次元有機導体の基底状態を理論的に調べた。同一分子上のクローン斥力、U,ばかりでなく分子間クローン相互作用、V,をも考慮したハートリーフォック近似によりまず電荷秩序の可能性及びその空間配置を明らかにした。この結果結合交替とVの拮抗により、モット絶縁体と電荷秩序状態が競合することがわかった。次いで、これをもとにモット絶縁体における量子ゆらぎの効果をハイゼンベルグスピン模型を用いて調べ、種々の異なったタイプのスピン・ギャップ系の出現の可能性を示した。この結果を、(TMTSF)_2X,ET_2Xにおける実験事実と比較した。これにより今まで理解できなかった多くの事が判明した。
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