研究課題/領域番号 |
11640342
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
石川 義和 富山大学, 理学部, 教授 (20143836)
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研究分担者 |
桑井 智彦 富山大学, 理学部, 助教授 (10251878)
水島 俊雄 富山大学, 理学部, 助手 (50135000)
櫻井 醇児 富山大学, 理学部, 教授 (30033814)
佐藤 清雄 福井工業大学, 工学部, 教授 (20023070)
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キーワード | セリウム化合物 / 4f電子 / 局在・非局在 / 近藤効果 / 重い電子 / 帯磁率 / 価数揺動 / 単結晶 |
研究概要 |
この研究の主たる研究対象は六方晶のCePdAlである。このセリウム原子の4f電子の局在・非局在を実験的に明らかにすることである。昨年度は、東大物性件との共同研究により、単結晶試料による0.51Kまで、1.3GPaまでの低温高圧実験の成果を出すことが出来た。本年度は、更に、富山大学での希釈冷凍機により、0.1Kまで下げたデータを得る事ができた。富山大学では最高圧力は1.2GPa、最高の外部磁場は7Tである。この実験で新たに、量子臨界点近傍(1.2GPa、0T)にあった非フェルミ液体的な状態が、7Tの外部磁場によりフェルミ液体的な状態に復活することが見い出された。 Ni10%置換のCe(Pd0.9Ni0.1)Alの単結晶試料による同様な高圧・極低温実験を行った。この試料では新たに、高温側(100K)の電気抵抗が圧力により大きく上昇することが見られた。これは近藤温度が圧力により上昇したためと考えられるが、更に検討が必要である。 Ni置換のCe(Pd1l-xNix)Al(x=0〜1.0)の単結晶試料による熱電能(S)の温度依存性の研究を行った。ここでは、予想外の大きな正の熱電能が得られ、また、低温での熱電能の温度勾配(dS/dT)は量子臨界点からずれた所(x=0.4)で最大になることがわかった。 更に、六方晶のCePd2Al3についても同様な研究がなされ、多結晶試料によるNi置換系であるCe(Pdl-xNix)2Al3(x=0〜1.0)の系で、電気抵抗・磁化・帯磁率・比熱の詳細な実験によりセリウムの4f電子の局在から非局在への連続的な移り変わりが明らかにされた。 以上の研究成果の一部は、Ann Arberでの国際会議(SCES)等で発表された。
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