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1999 年度 実績報告書

液体He-3の磁性と超流動転移機構の理論

研究課題

研究課題/領域番号 11640354
研究機関広島大学

研究代表者

永井 克彦  広島大学, 総合科学部, 教授 (90034743)

研究分担者 長登 康  広島大学, 総合科学部, 助手 (60294477)
東谷 誠二  広島大学, 総合科学部, 助手 (70304368)
キーワード液体ヘリウム-3 / 帯磁率 / パラマグノン / スピンゆらぎ / フェルミ流体 / 超流動 / P-波クーパー対
研究概要

液体^3Heの強相関多体効果の研究において,原子間の相互作用から直接出発するのは困難であり,従来からHubbard模型を用いた種々の研究がなされてきた.ひとつは液体^3Heを強磁性に近い液体と見なしパラマグノン効果を考慮するDoniach,Engelsbergの比熱の対数項の理論やBeal-Monodらの帯磁率の理論である.超流動転移はパラマグノンを媒介とする引力相互作用によるとするのが定説であり,圧力が高いときには超流動A相,低いときには超流動B相が実現している事実を定性的には説明しているが,常流動状態におけるパラマグノンの効果(例えば比熱の対数的温度依存性)が実験的に確認されたとは言い難い.本研究の目的は,液体^3Heでのパラマグノン効果を数値計算を用いて定量的に調べることである.
従来から三沢は,Fermi液体では相互作用の結果,種々の物理量に対数依存性が必ず含まれ,その結果帯磁率の温度依存性に極大が見えるはずということを主張してきた.最近大阪市立大学の実験グループによって,その主張と一致する結果が観測されている.
本研究では,帯磁率に対するパラマグノン効果の再検討を行った.動的帯磁率χ(q,ω)を含む自由エネルギーの一般的表式から出発し,広範囲の温度,磁場領域において数値計算を行い,比熱,磁化を調べた.χ(q,ω)としてRPA近似を用いるが,従来のパラマグノン理論のようにq,ω〜0の形で近似せずに数値計算を行った.その結果,対数依存性は表れるが,その符号は三沢の主張とは反対であり,パラマグノン効果のみでは帯磁率の温度依存性の極大は説明できないことが明らかになった.
関連する研究として,超流動^3He薄膜のA-B転移,及び超流動密度の膜厚依存性の計算を行った.これらの結果はLT22で発表されている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] J.Hara,K,Nagai: "Superconducting Transition Temperature of Multi-layer"J.Phys.Soc.Jpn. 68・1. 212-223 (1999)

  • [文献書誌] S.Higashitani,K.Nagai: "Order Parameter Collective Mode in Sr_2CuO_4"Physica B(Proceedings of LT22). (in print). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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