研究概要 |
1.ZnCr_2O_4では,ネール温度T_N(=11K)で,誘電率の温度変化に階段状の異常があることを見出していた.多結晶試料で低温X線回析を行い,T_N以下の対称性が正方以下に低下していることを明らかにした. 2.ZnCr_2O_4単結晶の中性子散乱によって,T_N-約100Kの温度範囲に,大きい磁気散漫散乱を見出した.この範囲では,磁化率のキューリーワイス則からのずれとあわせて,低周波誘電分散を見出していた.これらはいずれも,反強磁性短距離秩序の発達と関連すると考えている. によると考えている. 3.MgCr_2O_4,CdCr_2O_4でZnCr_2O_4と類似の誘電異常を見出した. 4.HoMnO_3,YbMnO_3,LuMnO_3,YMnO_3の低温相の磁気対称性を推定した. 5.LuMn_2O_5単結晶で,誘電異常を見出していた温度で,スピン構造をあらわす伝播ベクトルが不連続に変化していることを見出した. 以上1.-3.について,日本物理学会年会(1999年9月),同春の分科会(2000年3月)で報告あるいは報告予定である.さらに,1.を含めZnCr_2O_4に関する従来の結果について論文を執筆中である.
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