研究概要 |
アルカリ原子のボース凝縮体は超微細スピンによるスピン自由度をもっている.そのために超流動^3Heと同様のスピン・テスクチャーが実現するが,ここに現れるスピンは外部磁場と強く結合するので,^3Heに比べコントロールしやすい.本研究ではこのスピン自由度を利用することにより,ボース凝縮体中に連続的に渦糸や永久流を実現する方法を提唱した.これは秩序変数の自由度が3次元回転群SO(3)で,その基本群がπ_1(SO(3))=Z_2であることを利用している.すなわちZ_2における演算1+1=0より,渦糸がない状態と強さ2の渦糸状態は連続的に変形できるのである.本研究では,Gross-Pitaevskii方程式を数値的に解くことにより,この連続変形を数値的にも示した.また閉じ込め磁場が切られたあとの凝縮体の振る舞いを同じくGross-Pitaevskii方程式を解いて予測した.それにより,Time of Flight法を用いてこの構造を実験的に検証しうることを示した.
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