研究概要 |
平成11年度の研究で,4重極磁場に閉じ込められた超微細スピンF=1のボース凝縮体において,軸方向の磁場を断熱的に反転することにより,強さ2の渦糸がトポロジカルに生成されることを示した.そこでは,凝縮体をweak field seeking stateにとどめるために,軸に沿って光学プラグを導入した計算を行った. 平成12年度の研究では,磁場の反転の過程で,weak field seeking state以外の状態が寄与するには原点(r=0)で,ある一瞬であることに着目し,光学プラグを導入しない解析を行った.その結果,軸方向磁場の反転が十分断熱的であれば,系から失われる粒子数は無視できるくらい少ないことが示された.実験的には,10μm程度の半径の凝縮体に数μm程度の光学プラグを通すのは大変困難であるため,それを導入せずに渦が実現できればより実現の可能性が高くなる. また,F=2のボース凝縮体においても同様の解析を行った.この場合も,光学プラグを導入せずに,強さ4の渦糸がトポロジカルに生成されることを示した.
|