研究概要 |
本年度は,以下の系について次のような研究を行った. ・ ランダム1次元磁性体 密度行列繰り込み群を用いてスピン1の1次元反強磁性ハイゼンベルグ系へのボンドランダムネスの効果を調べこの系がランダムネスに対し極めて安定であることを示した。現在、さらに低エネルギーでの特異性の強いランダムネスの場合について研究を進めている。 ・ 準周期1次元磁性体 密度行列繰り込み群を用いてスピン1/2の1次元ボンド準周期反強磁性XXZ模型において相互作用のイジング成分の効果を調べた。XY模型では臨界的なフィボナッチ的変調が、反強磁性的なイジング成分が少しでも入ると支配的になり系の低エネルギーの振る舞いを大きく変えることを示した。現在、準周期磁場がある場合についても研究を進めている。 ・ 長周期1次元磁性体 数値対角化法とレベルスペクトロスコピー法を用いて2倍4倍周期の共存するスピン1/2のXXZモデルの基底状態の相図を調ベ、量子相転移のユニバーサリティクラスや臨界指数を明らかにした。現在、さらに長い周期のある場合の磁化プラトーについて研究を進めている。また、関連したモデルとして2倍周期と1イオン異方性のあるスピン1のハイゼンベルグモデルのハルデン-Large-D転移、ハルデン-ダイマー転移の臨界指数を明らかにした。 ・ 2次元カゴメ格子磁性体 力ゴメ格子上のスピン1の反強磁性ハイゼンベルグ系の基底状態、低励起状態について数値対角化とクラスター展開を用いて調べつつある。
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