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1.1次元ランダム量子磁性体
密度行列繰り込み群(DMRG)を用い、スピン1の1次元反強磁性ハイゼンベルグ系のハルデン相はランダムネスに対し安定であることを示した。
2.準周期1次元量子磁性体
DMRGを用いてスピン1/2の1次元準周期反強磁性XXZ模型の基底状態を調べた。XY模型では臨界的なフィボナッチ的変調が、反強磁性的なイジング成分が少しでも入ると支配的になり系の低エネルギーの振る舞いを大きく変えることを示した。
1次元half-filledフィボナッチ・ハバードモデルをDMRGと摂動論的繰り込み群を用いて調べ、half-filledの基底状態ですら非常に豊かな相が実現することがわかった。量子ドット列などを用いた実験的検証が期待される。これらの研究は準周期系における強相関効果の重要性を示唆している。
3.長周期1次元量子磁性体
数値対角化法を用いて様々な長周期1次元量子磁性体の基底状態や磁化過程を調べ、量子相転移のユニバーサリティクラスや臨界指数を明らかにした。
4.カゴメ格子量子反強磁性体
有機物で実現しているスピン1のカゴメ反強磁性体の基底状態、低励起状態を数値対角化、クラスター展開で調べ、磁気的励起にも非磁気的励起にもギャップがあることを示し、量子的にフラストレーションを完全に解消するHexagonal Singlet Solid描像を提唱した。また、磁化過程に飽和磁化の1/3のプラトーが現れることを示した。
今後の研究の展開計画
現在、同一テーマの研究課題が採択され、以下の研究を進めている。
(1)ランダム1次元磁性体の磁化過程
(2)カゴメ格子反強磁性体の有限温度の振るまい
(3)S=1の1サイト異方性のある1次元XXZモデルの基底状態相図
(4)擬1次元・擬2次元の量子磁性体における磁化プラトーのボンド演算子法による研究
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