研究概要 |
今年度の重点的な研究は以下のとおりである。 (1)Nd{1-x}Sr{x}MnO{3} (x〜1/2)近傍ではCE-type反強磁性絶縁体、A-type反強磁性金属、強磁性金属といった様々な軌道およびスピン秩序を示す。これをLDA+U法により調べた。実験的に見い出された結晶構造を仮定しいくつかの磁気構造を調べたが、いずれも実験的に見い出された磁気構造および金属・非金属状態が基底状態であることを確認した。その結果にもとずいて結晶のa,b,c軸長比と秩序構造の関連を議論した。 (2)La{7/8}Sr{1/8}MnO{3}の強磁性絶縁相をLDA+U法に基づき議論した。その結果、この物質が強磁性絶縁性(エネルギーギャップはほとんどゼロ)を示すことを確認した。さらに長距離の軌道整列とホールが面内にストライプ構造をとることを見い出した。この物質の強磁性はMnのe_g軌道が縮退していることが本質的であるし、またそのために2次元的な異方性がある。 (3)現実的な物質に対して、動的平均場近似により電荷密度の揺らぎを取り込むことを検討した。
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