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1999 年度 実績報告書

有限電子系におけるダイナミクスの非経験的量子シミュレーション法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 11640372
研究機関筑波大学

研究代表者

矢花 一浩  筑波大学, 物理学系, 助教授 (70192789)

キーワード時間依存密度汎関数法 / 局所密度近似 / 電子ダイナミクス / 光吸収 / 光学活性 / 多価イオン
研究概要

本研究課題の目標は、時間依存密度汎関数法に対する実時間・実時間解法を発展させ、電子ダイナミクスの関連する多様な問題に対する統一的な記述を進め、電子系の量子ダイナミクスに対する第一原理的なシミュレーション法を確立することにある。対象とする現象は、原子・分子・原子クラスターの電子励起状態、光に対する線形・非線形応答,原子とイオンの衝突過程等の電子ダイナミクスにわたる。今年度は、以下の諸点について成果をあげることができた。
1)イオン・クラスター衝突の実時間計算において、量子論的計算と、半古典近似に基づく計算の比較を行った。両者はほぼ完全に一致し,計算方法によらず電子ダイナミクスを正確に記述していることが確かめられた。また、電荷移行過程に対しては量子効果は小さく、計算の容易な半古典近似の優位さが示された。
2)イオン・原子衝突において、交換相関ポテンシャルの正確な取り扱いを検討した。非局所なフォック項を正確に扱った計算を始めて示した。非局所性を正確に扱った場合に断面積に10%程度の変化が見られた。今後、生成された高励起イオン状態の分析を行う。
3)実空間法による非線形応答の計算法を確立した。従来の方法と異なり、基底関数に関する収束性の確認が容易であり,また大きな系の計算において有利な方法であることが実証された。C60に対する超分極率の計算では、従来の基底関数を用いた計算に比べ、空間に関して収束した計算では約30%大きい値が得られた。
4)固体の誘電関数に関する実時間計算法の検討を行った。現在バンド計算の実空間計算は終了し、実時間計算による誘電応答の検討を行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] L.Plagne: "Semiclassical versus guantal time-dependent mean-field descriptions of electron dynamics in ion-cluster collisions"Physical Review. A61(発表予定). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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