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2000 年度 実績報告書

時間分解蛍光スペクトル測定による不規則系ダイナミクスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11640374
研究機関大阪大学

研究代表者

兼松 泰男  大阪大学, 工学研究科, 助教授 (00211855)

キーワード光カー効果 / 超高速分光 / レーザー / 蛍光
研究概要

光パルス幅約150フェムト秒、繰り返し200kHzの再生増幅チタンサファイアレーザーシステムを光源とし、CCD分光システムを測光部に用いて、光カーシャッターを利用した時間分解蛍光スペクトル測定装置を構成し、さらなる装置の改良を行うとともに、光反応性蛋白質の超高速ダイナミクスの観測を行った。装置改良に関しては、各素子と光学配置の選択に基づく性能差を、蛍光の集光効率、収差・遅延時間分散、時間分解能の観点から評価し、最適配置に関する指針を得て、現在、改良機を構築中である。また、性能の高いカー媒質を探るため、探索範囲を広げた結果、従来の7倍の効率の媒質を見出した。一方、信号に対するバックグラウンド光比が微弱蛍光を測定する上で決定的であるが、バックグラウンド光はカー媒質の二光子励起蛍光がその主な起源であり、この点でも、従来に比べて性能の良い媒質を見出した。さらに、現在、能動的な二光子蛍光低減化を追求している。光反応性蛋白質Photoactive Yellow Proteinについて、時間分解蛍光スペクトル測定を行い、緩和の初期に、非常に速い減衰を見せる成分が存在するが、そのスペクトルは幅が広く、緩和に伴い幅が狭くなる奇妙な振る舞いを直接観測することができた。その起源に関して現在詳細な研究を続行中である。このようにして、光カーシャッターに基づく時間分解蛍光スペクトル測定は、超短時間域におけるスペクトルのスナップショット測定に適用できる簡便かつ有効な方法であり、さらなる改良により次世代標準となる測定法であることを示す事ができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yasuo KANEMATSU et al.: "Femtosecond optical Kerr-gate measurement of fluorescence spectra of dye solutions"Journal of Luminescence. 87-89. 917-919 (2000)

  • [文献書誌] S.Kinoshita,H.Ozawa,and Y.Kanematsu: "Efficient optical Kerr Shutter for femtosecond time-resolved luminescence spectroscopy"REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS. 71・9. 3317-3322 (2000)

  • [文献書誌] 永原哲彦,兼松泰男,木下修一,岡田正: "光カーゲート法によるフエムト秒時間分解蛍光分光"分光研究. 49・4. 186-192 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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