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2000 年度 実績報告書

陽な密度行列構成による密度行列繰込み群の拡張

研究課題

研究課題/領域番号 11640376
研究機関神戸大学

研究代表者

西野 友年  神戸大学, 理学部, 講師 (00241563)

キーワード密度行列 / 繰り込み群 / テンソル積 / イジング模型 / DMRG / 3次元格子 / Potts模型 / TPVA
研究概要

有限温度密度行列繰込み群(DMRG)では、有限温度の一次元量子系を表現する筒形の二次元古典系に「切れ目」を入れて密度行列を構成することが、一般的に行われている。この場合、系のトポロジーが平面とは異なるので、従来から行われて来た単純な密度行列構成が、フリーエネルギー最小の意味において必ずしも最適ではないことが判明した。その理由は、筒を「回り込む」形の情報伝達が正しく取り込まれないからである。同様な困難は三次元古典系にも現れる。
そこで本年度はDMRGの基礎に立ち返って、テンソル積で表現された変分関数を改良するという視点から、三次元古典系に対する有効な密度行列構成方法を検討した。その結果として、補助的な自由度を持ったテンソル積型変分関数を最適化する基本方程式を得ることに成功した。また、角転送行列繰込み群(CTMRG)を用いると、この方程式を数値的に解けることが判明した。
以上のようにして得られた、新しい密度行列変分法(TPVA)を三次元Ising模型およびPotts模型に応用し、相転移温度や潜熱の測定などを行い、モンテカルロ法の結果と比較し得るデータを得た。
他方、CTMRGを16vertex模型に適用することによって、これまでに調べられていなかったパラメター領域での相図を確定した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 奥西巧一: "Kramers-Wannier Approximation for the 3D Ising Model"Prog.Theor.Phys.. 103. 541-548 (2000)

  • [文献書誌] 西野友年: "Self-Consistent Tensor Product Variational Approximation for 3D Classical Models"Nucl.Phys.. B575. 504-512 (2000)

  • [文献書誌] 西野友年: "Two-Dimensional Tensor Product Variational Formulation"Prog.Theor.Phys.. 105(出版予定). (2001)

  • [文献書誌] 高崎寛: "Phase Diagram of a 2D Vertex Model"J.Phys.Soc.Jpn.. 70(出版予定). (2001)

  • [文献書誌] 西野友年: "密度行列繰込み群"日本物理学会誌. 55. 763-771 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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